ハンドメイドアクセサリー販売のスタートで直面する、
最初の難関は、
「値段の付け方」と言っても、過言ではない
と思っています。
「最初は趣味だったし。。。」と、
正しい値段をつけれていなかった方も、
ぜひ参考にしていただきたいと思います。
※最初から正しい値段をつけるのは、
正直精神的に辛い場合があります。
でも、そこから逃げなければ、
後からの苦痛を味わわずに済むはずです。
※不思議かもしれませんが、
値段が安い方が、不必要なクレームが来やすいです。
これは、私自身も体感ベースでそう思うし、
他の作家さん・他の業種の方からも聞いたことがある事実です。
- 何を最低限準備すればいいの?
- 値段はどうやって決めればいい?←今回の内容
- どこで売るといいかな?
[toc]
値段の決め方
![電卓を見て考える女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/02/keisan-woman.jpg)
ネットでリサーチしていると、
ある程度「こんなもんかな。」
そんな感覚をつかむことができると思います。
ですが、こちらのページでは、
具体的かつ現実的でシビアに、書いていきたいと思います。
正直、なかなかすぐには理解されないこと(だけど超重要)なので、
よく読んで、理解を深めていただけると嬉しいです。
よくある間違いが、
「友達や家族に値段を聞く」という方法。
その友達が売れてる大人気作家であれば、
聞いてOKだけど、
そんな特別なケースを覗き、
友達や家族に、
「これっていくらなら売れると思う?」
「これがいくらって、どう思う?」って聞いた結果、
聞いてよかったという話を聞いたことがありません。
目標を教えてください
![やる気いっぱいの女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/fine-woman.jpg)
![やる気いっぱいの女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/fine-woman.jpg)
![やる気いっぱいの女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/fine-woman.jpg)
まずはじめに、あなたのハンドメイド販売での目標を教えてください。
目標でなくても、
希望・野望・できれば叶えたいことで構いません。
今ここで、立ち止まって考えてみてください。
自分自身の一人会話なので、
周りの目もないし、
「こんなこと言ったら、笑われるかな?」とかも、
思う必要はありません。
・
・・・
・・・・・
・・・・・・・
決めましたか?
例えば
- おこずかいが欲しい。もちろん、多い分にはウェルカム。
- 収入を増やしたい。
- 好きなことを仕事にできたらいいな。
- あんまり頑張りたくないから、月1−2万円プラスになればいいや。
いろんな意見があって、いいんです。
まだの場合、スクロールをここでストップしてくださいね。
繰り返しですが、
他人からの意見や一般論ではなく、
自分自身の心からの願いを、今確認してください。
確認できたら、次へ進みます。
上代(売値)は原価の3−4倍が一般的
というのは嘘?
![疑問を抱く女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/02/question-woman2.jpg)
![疑問を抱く女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/02/question-woman2.jpg)
![疑問を抱く女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/02/question-woman2.jpg)
さて、先ほどの話はまず置いておいて。
よく、ネットなどで「上代は原価の3倍」と書かれていますが、
それって本当なのでしょうか?
基本的に、「原価率(売値のうち、原価が占める割合)」や、
「上代(価格)の計算」はそれぞれの作家に委ねられるというのは、
紛れもない事実です。
そこで、先ほど確認した内容が出てきます。
あなたの希望・野望・願望は、どちらに当てはまりますか?
A.ワーク型
- できれば、ハンドメイドで食べていきたい。
- 天職になったらいいなぁ。
- やるからには、ちゃんと稼ぎたい。
B.サブ型
- 一生懸命!になるほど、ハンドメイドに情熱は注げないなぁ。
- あくまでお小遣い稼ぎで♪
どちらが最も、本心に近いでしょうか?
この、“本心に”というところがポイントです。
ついつい、謙虚な方だと、
「まだ始めたばかりだし・・・」
「自分の作品を買ってもらえるだけありがたい・・・」
ってなりがちですが、
そんな“不安からくる言い訳”を除いた、
まっさらな自分の本心で答えてください。
ちなみに、私は完全にAですよ。
「ハンドメイドで食べてけるなんて、一部だけだよ」
「現実そんなに甘くない」
特に販売を始めたばかりの頃は、
こう言った、いわゆる“足を引っ張る発言”を
聞くことがあると思います。
私も言われたことがあります。
ある経営者が言っていました。
「その人は、自分の人生の責任をとってくれるんですか?」
Aのワーク型でも、Bのサブ型でも、
どちらも恥じる必要はないんです。
Aワーク型の場合の値段の付け方
![こちらと紹介する女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/012-1024x683.jpg)
![こちらと紹介する女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/012-1024x683.jpg)
![こちらと紹介する女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/012-1024x683.jpg)
Aのワーク型を希望される方は、
(原価+人件費)÷0.4=値段以上がめやすです。
原価+人件費が1000円なら2500円以上。
3000円なら7500円以上です。
理由①お仕事だから
私は、オンラインショップ販売だけで十分稼ぐことができる!
ならいいのですが、
現状これだけの作家が世の中にいても、
そう言い張れるのは、本当に数パーセントです。
(売れてる作家さんは、月の純利100万超える方もいます。
努力の賜物です。)
なので、理由②以降を踏まえると、
お仕事なら、これくらいの計算にしないと、
生活に支障が出ると思います。
![小さくなる女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/02/down-woman.jpg)
![小さくなる女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/02/down-woman.jpg)
![小さくなる女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/02/down-woman.jpg)
理由②出店と価格を統一する必要があるから
もし「ネット販売だけでは、やっていけない!」
そうなると、どうしてもイベント出店や、
ポップアップ出店をすると思います。
イベント出店は、出店料が安いイベントを選べば済みますが、
ポップアップ出店は、
昨今だと、「参加費+販売手数料50%」が当たり前になっています。
(どこがいくらということを公表することは、契約書で禁じられているので、
書きません。)
もしくは、参加費はかからないけれど、「手数料が55%」など。
しかも、「盗難補償なし」が多いです。
盗難はビルによりますが、私の経験上でいうと、
3〜5%という印象です。
(日本ですら、です。悲しいですが、これが現実です。)
それで、
「手数料55%」+「盗難リスク5%」=60%を手数料とし、
原価率÷0.4=上代が、公式の最低ラインになるわけなのです。
委託販売の手数料が高い理由を知ろう
![人差し指をたてる女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/01/atpoint-woman.jpg)
![人差し指をたてる女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/01/atpoint-woman.jpg)
![人差し指をたてる女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/01/atpoint-woman.jpg)
「えー手数料ってそんなに高いの?」
そんな声が聞こえてきそうですが、
委託販売というのは、
「出店する駅ビルに支払う手数料」
+
「代行してくれる会社に支払う手数料」
がかかるので、
どうしても、それくらいかかります。
飲食店の原価率はだいたい3割というのは、
聞いたことがあると思いますが、
そんな感じで、人件費が一番高いのが、今の世の中です。
スタッフを雇えば、
もし最低賃金くらいの時給1000円だったとしても、
10−20時営業で最低2人は必要なので、
一日16000円。
それが1ヶ月で約48万円。
もし、「2人だと盗難されやすいから」と、
3人に増やせば1ヶ月あたりにかかる人件費は、
72万円になります。
(細かいことを言えば、社保の会社負担分もプラスでかかります)
さらには、店舗のディスプレイ什器や内装の費用、
テナント料もかかっていると思うと、
手数料に納得できるのではないでしょうか?
むしろ、これらの現実を踏まえると、
決して、その手数料って高くないんじゃあ。。。
って気にすらなってきます。
実際にこの計算で販売している作家さんはいるの?
![頬杖をついて考える女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/02/woman-think2.jpg)
![頬杖をついて考える女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/02/woman-think2.jpg)
![頬杖をついて考える女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/02/woman-think2.jpg)
さて、ここからが問題です^ ^;
大人気作家さんは、
このようにきちんと利益を計算できていると思います。
ですが、
「ハンドメイドで生活して行きたい。」
そう言いながらも、
次に紹介するサブ型の値段の付け方・・・むしろ、
それよりもっと安くしている方がいるというのも事実です。
ちなみに、私はなるべくこちらの公式に基づいて、
売値を出すようにしています。
ハンドメイド業界の為にも。
正しい値段をつけないと、
売れても生活が苦しい。
メンタルが疲れてくる。
結果、ハンドメイドを辞めてしまう。
いいものを作る方が、
楽しく・正しく、生活できるようにと願って、
このブログも書いています。
Bサブ型の場合の値段の付け方
![こちら 案内 女性 紹介](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/here-woman.jpg)
![こちら 案内 女性 紹介](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/here-woman.jpg)
![こちら 案内 女性 紹介](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/here-woman.jpg)
Bのサブ型を希望される方は、
(原価+人件費)÷0.7〜0.5=値段をめやすにするのがオススメです。
原価が1000円なら1500〜2000円。
3000円なら4300〜6000円です。
※「趣味」ではなく「サブ」としたのは、
「趣味」でも「ワーク」であっていいと思っているから。
理由①サブと言えど、価値を提供している
価値をきちんと提供しているのに、
もしかしたら、「Aのワークでやっていけるじゃん!」っていうくらい、
いいものを提供しているのに、
材料費+少しもらえたらいいなぁ〜。
なんて考えていたら、
業界のバランスを崩している・・・かも!
業界のバランスを崩すと、
最悪のパターン、業界の衰退になります。
理由②自分の将来のため
ハンドメイドは、サブでもワークでも、
販売活動ができる業界です。
「私は趣味でやってるだけだから」
そう言って、
「売れないよりは、安めに設定して売れた方がいい。」
そう考える気持ちは、正直わかります。
だって、
売れないと、自分を否定されてるみたいで、
辛いし、悲しいし、凹むんだもの。
でも、もし売れたら?
楽しくて、もっと作りたくなるし、
すごーーく売れたら、
きっと、こう思うと思います。
「私もAのワーク型にしたい!」
![同じ方向を見つめる女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/lookat-woman.jpg)
![同じ方向を見つめる女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/lookat-woman.jpg)
![同じ方向を見つめる女性](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/03/lookat-woman.jpg)
でもそうした時に、
大抵の場合は今の値段のままだと厳しくて、
「今まで売れてたのは、値段が安いからじゃないかな。。。」
「値段をあげたら、売れなくなるんじゃないかな。」
「売れてる人が値段がきちんとつけれるのは、
“売れてるから”であって、私には無理。」
こんな不安に陥ることが多いと感じています。
そこで、勇気を出して変われた人は、
学び、変化をすることができるようになります。
勇気を出せなかった人は、
「値段変えるのが怖い。。。
やっぱり、私がAのワーク型になるのは無理なんだ。」
「利益は少ないけど、好きなことをやれてるだけ、幸せかも。」
とか言って・・・
・・る人が、リアルに私の作家仲間でいます。
それって、すごくすごくすごーーーく、
もったいないって思いませんか?
値段の計算を後から変える方が、
精神的に辛かったり
作業的にも手間なので、
最初の「ハンドメイド販売始めよう!」
その勇気のついでに、
価格の計算は、
最低限、上で紹介した公式にしてみては、
いかがでしょうか?
値段はね、
上げるのはストレスだけど、
下げるのはいつでもできるんですよ。
もしもの時は、このお守りワードを思い出してくださいね。
(だからって、出品してたった1週間、1ヶ月で
「売れない(/ _ ; )」って値下げするのもナシですよ笑)
販売している以上、商売なんですから、
まずはできる限りの努力をするのが先です。
商売なめんな!って、先人たちに言われちゃいますw
そもそも「原価」など経費とは?
![天然の原石](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/06/stone-hands.jpg)
![天然の原石](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/06/stone-hands.jpg)
![天然の原石](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2019/06/stone-hands.jpg)
値段の付け方が超重要すぎて、
長くなってきたので、こちらはサクッとまとめていきますよ!
そもそも、よく聞く「原価」以外に
どんな「経費」があるのでしょうか?
- 原価:材料
- 原価:材料購入にかかる送料、電車賃など
- 人件費:製作や仕入れ、梱包、顧客対応などに必要な時間給
- 梱包資材:封筒やプチプチ、台紙代など
ここまでは、なんとなく思いつく方も多そうです。
続いて、他にもこんなにコストがあるって
把握できていますか?
- 出品にかかる撮影機材代
- 撮影・編集・出品ページ製作の時間給
- 台紙や名刺のデザイン料
- インターネットやスマホの通信費
- 試作や情報収集・思考の時間
今あげただけでも、
最低限かかってくる経費コストだと思います。
念の為書きますが、時間=コストですよ。
お金のこと、
難しいし頭痛くなってきそうだけど
大切なので勉強しましょー!
【おまけ】
値段のキリをどこで決めるといい?
![値札](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/04/price-label.jpg)
![値札](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/04/price-label.jpg)
![値札](https://ienekolife.net/wp-content/uploads/2020/04/price-label.jpg)
これはおまけ〜
価格は、3333円でも、8592円でも、
それぞれ各作家の自由です。
でも、もし委託販売をするなら、
どうしても業務効率化や
お客様にとってわかりやすくするために、
値段の”キリ”の取り決めがある企業もあります。
会社によって異なりますが、
どの会社の取り決めもクリアする「端数」の取り扱いは、
100円単位まで。
です。
要は、
- 3000円
- 3100円
- 4900円
- 5200円
など。
2980円や、3550円、4999円などの
10円、1円単位での価格設定だと、
NGな販売店があります。
そして、
全く同じ商品を
- A社:100円単位までOKだから → 3600円
- B社:10円単位までOKだから → 3550円
- C社:50円刻みでOKだから → 3550円
として売ると、A社に怒られます。
怒られるっていうか、取引停止になるので、
やりたいならやってもいいけど、
私はオススメしないです笑
最後までお読みいただき、
ありがとうございにゃした。
自分自身がハンドメイド作家なので、
現実的なことを書きましたが、
これから始める、
今まで商売をしたことのない方にとっては、
びっくりする内容だったかもしれません。
これをきっかけに、バイトでも正社員でも、
お給与をもらったことがある人は、
その流れ・仕組みを考えてみると、
むしろ、ハンドメイドの儲けなんて、
可愛いものってことに気がつくのではないでしょうか?
いいもの・いいことを提供しているなら、
きちんと代金をいただいてくださいね。